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ガソリンの品質
自動車ガソリンはガソリン車に給油して、その車がスムーズに走り出し、安定した走行ができること、また、車を長時間使い続けてもその性能に影響しないことが求められます。さらに、車からの排出ガス対策も重要です。そのため、次のような品質要求事項を満たして作られています。
- ①燃焼が安定していて、エンジンが異常振動(ノッキング)を起こさないこと。(オクタン価)
(オクタン価96以上がハイオク、89以上がレギュラーと分類されています。) - ②適度な蒸発性があり、自動車のアクセルを踏み込んだ時にスムーズにガソリンがエンジン内で空気と混ざり、円滑に燃焼し、加速性が良いこと。また、ガソリンは、気温が高い場合、給油時に車の燃料タンクから蒸気となって大気に放出されやすいので、季節によって調整が必要になります。
- ③流通・貯蔵時には安定していて品質が変化せず、燃焼時には自動車排出ガスが清浄であり、エンジン内に汚れを作らないこと。
- ④排気ガス中の有害物質低減のため、ベンゼンを体積分率1%以下に、硫黄分を10ppm以下とする対策がなされていること。
自動車ガソリンの要求品質 | ||||
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試験項目 | 1号(ハイオク) | 1号(E) | 2号(レギュラー) | 2号(E) |
オクタン価 (リサーチ法) |
96.0以上 | 89.0以上 | ||
密度 (15℃)g/cm³ |
0.783以下 | |||
蒸留性状 (減質量加算) |
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10%留出 温度℃ |
70以下 | |||
50%留出 温度℃ |
75以上110以下 | 70以上105以下 a) | 75以上110以下 | 70以上105以下a) |
90%留出 温度℃ |
180以下 | |||
終点℃ | 220以下 | |||
残油量 体積分率% |
2.0以下 | |||
銅板腐食 (50℃,3h) |
1以下 | |||
硫黄分 質量分率% |
0.0010以下 | |||
蒸気圧 (37.8℃)kPa |
44以上78以下 b) | 44以上78以下 b)c) | 44以上78以下 b) | 44以上78以下 b)c) |
実在ガム mg/100ml |
5以下 d) | |||
酸化安定度 min | 240以下 | |||
ベンゼン 体積分率% |
1以下 | |||
MTBE 体積分率% |
7以下 | |||
エタノール 体積分率% |
3以下 | 10以下 | 3以下 | 10以下 |
酸素分 質量分率% |
1.3以下 | 1.3超3.7以下 | 1.3以下 | 1.3超3.7以下 |
色 | オレンジ系色 |
a)エタノールが3%(体積分率)超えで、かつ、冬季用のものの50%留出温度の下限値は65℃とする。エタノールが3%(体積分率)以下のものの50%留出温度は75℃以上110℃以下とする。
b)寒候用のものの蒸気圧の上限値は93kPaとし、夏季用のものの上限値は65kPaとする。
c)エタノールが3%(体積分率)超えで、かつ、冬季用のものの蒸気圧の下限値は55kPa、さらにエタノール3%(体積分率)超えで、かつ、外気温が-10℃以下となる地域に適用するものの下限値は60kPaとする。
d)ただし、未洗実在ガムは、20mg/100ml以下とする。
出所:JIS規格