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OPEC、OPECプラスとは

 OPEC(Organization of Petroleum Exporting Countries、石油輸出国機構)は、1960年にイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5か国によって、イラクの首都バグダッドで結成されました。メジャーと呼ばれた国際石油資本に、産油国として共同して対抗することを目的としていました。その後13か国まで加盟数を増やしたOPECは、1973年の第四次中東戦争に際しては、アラブ諸国が中心となってイスラエル支持国への石油禁輸措置を打ち出し石油市場での発言権を確保するとともに、石油価格の大幅引き上げを実現し、1980年代半ばまで国際カルテルとして大きな影響力を行使しました。

1980年代になって、OPECに属さない産油国からの石油が増産されるようになり、また消費国で石油先物市場が開設され石油価格決定の主導権が市場に移っていくと、OPECは各国に生産量を割り当てる生産調整を開始し、需給調整を通じて石油価格の維持を図るようになりました。さらに2010年頃から、米国を中心としたシェールオイルの生産が増加して需給が一層緩和すると、OPECに属さないロシアやメキシコなど10か国とも協調して需給調整を行うOPECプラスという枠組みを2016年に設定して、石油価格への産油国の影響力の維持を図っています。

OPEC原油のシェアは、1970年代に石油戦略を発動した際には、世界の50%を超えていましたが、その後1980年代には20%台まで低下し、その後やや回復していますが現在でも30%台で低迷しています。OPECプラスに参加している非OPEC産油国10か国の生産量は合計で世界の20%前後あるため、産油国共通の利益を追求するための新たな枠組みへの試みといえます。

OPECとOPECプラスの国(2024年1月現在)

OPEC
イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ、リビア、アルジェリア、ナイジェリア、アラブ首長国連邦、ガボン、赤道ギニア、コンゴ(加盟12か国)

OPECプラス
(OPEC加盟国に加えて)アゼルバイジャン、バーレーン、ブラジル、ブルネイ、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、オマーン、ロシア、スーダン、南スーダン(11か国)

関連リンク OPEC HP
https://www.opec.org/opec_web/en/

 

 

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