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輸入原油価格の決まり方

石油会社が海外から輸入する際の原油価格は、1970年代までは、国際石油市場を支配していたオイルメジャーと呼ばれる国際石油大手企業が決めていました。1973年の第一次石油危機以降、オイルメジャーに対抗するOPEC(石油輸出国機構)が次第に勢力を強め、オイルメジャーを通さずに原油の消費国へ直接販売を開始するようになりました。このときの原油価格は、OPECが決定する基準原油価格(公式販売価格)にタンカーの運賃や保険料などが加えられて決まっていました。しかし、公式販売価格は需給等の変動を反映しにくく硬直的であったことから、サウジアラビアは1988年に価格決定方式を変更し、長期契約でもスポット価格や先物価格に準じて原油価格を決める市場連動方式を導入し、現在ではこの方式が主流となっています。
日本を含むアジア市場でのサウジアラビア原油の価格は、ドバイ原油とオマーン原油のスポット価格の月間平均値に、サウジアラムコ(サウジアラビア国営石油会社)が毎月設定する調整金を加減して設定されています。調整金は、サウジアラビアの販売政策によって変動することもあるため、毎月初旬に契約者に通知される調整金の水準にも注目が集まっています。
石油会社が輸入する原油の販売価格は、同じ産油国から購入する場合でも輸入する地域、油種によって異なり、それぞれに適用されるフォーミュラに基づいています。産油国によっては、調整金を設定していない場合や、市場連動ではなく月ごとの固定価格を通告する場合など、様々な決定方式があります。
 

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