カーボンニュートラルへの取り組み

石油連盟からのお知らせ プレスリリース・トピックス

プレスリリース

2022年01月05日

各位

石油連盟

杉森務石油連盟会長 年頭所感
(2022年1月5日)

  1. 1. 2021年の振り返り

     昨年を振り返ると、前年に続き、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた年となり、社会経済活動が大きく制限されるなかで、石油需要は前年に引き続き、コロナ前の水準を割り込む状況となった。9月末に緊急事態宣言が解除されて以降は、徐々に行動制限が緩和されるなど、経済においても回復の兆しが見えてきたが、こうした動きのなかで、OPECプラスの原油増産ペースを維持する慎重姿勢もあって原油価格は上昇基調で推移し、10月末にはドバイ原油でバレル当たり84ドルを記録し、経済回復への影響が懸念される状況になった。
     政府におかれては、原油価格の高騰に対して、産油国に対する働きかけを行うとともに、燃料油の卸価格を抑制するための緊急避難的・時限的な激変緩和措置などを講じており、石油元売としても、制度が発動された際には、政府からの補助金相当は全額卸価格に還元させる方針としており、政府と連携して対応していく所存である。
     現在、原油価格は足元70ドル台後半と、一時より落ち着いて推移しているが、資源開発の投資縮小の流れもあり、エネルギー資源の供給と価格の安定をいかに維持していくかが、カーボンニュートラルに向けてのトランジション期の最大の課題になってきていると感じている。

  2. 2. 2022年の重要課題

    (1)エネルギー政策における石油の位置づけと石油の安定供給確保

     東日本大震災から約10年が経過したが、当時国中が大混乱の中、石油をはじめとするエネルギーを確保し、消費者・被災地に届けることに奔走したこと、「S+3E」の重要性を再認識したことは、無資源国のわが国は忘れるべきではない。
     今回のエネルギー基本計画において、「S+3E」がエネルギー政策の大原則であるなか、石油は、一次エネルギーの約4割を占め、幅広い燃料用途と素材用途を持つエネルギー源であること、また災害時にはエネルギー供給の「最後の砦」であることから、改めて、平時・緊急時問わず、国民生活・経済活動に不可欠なエネルギー源であることが示された。
     社会経済構造の変化などにより、石油の国内需要は減少することが見込まれているが、石油業界としては、昨今の中東情勢の変化、激甚化する自然災害などに備え、官民一体となった、セキュリティ対策、レジリエンス対策の強化、さらには石油産業の経営基盤強化といった課題に取り組み、平時・緊急時を問わず、石油の安定供給に万全を期す所存である。
     2050年カーボンニュートラルに向けてのトランジション期においても、引き続き、エネルギーの安定供給確保に貢献していく。

    (2)気候変動対策

     石油連盟は、政府の「2050年カーボンニュートラル宣言」を受け、昨年3月に「石油業界のカーボンニュートラルに向けたビジョン」を策定した。CO2フリー水素や合成燃料などの革新的技術開発にチャレンジし、事業活動に伴うCO2排出量の実質ゼロを目指すとともに、社会全体のカーボンニュートラルの実現にも貢献していきたいと考えている。
     昨年11月の政府の追加経済対策においても、水素や合成燃料に関する内容が盛り込まれたが、石油業界としては、液体燃料の優位性とCO2フリーの特性を兼ね備えた合成燃料などの開発に積極的に取り組む所存である。
     政府におかれては、革新的技術の社会実装に至るまで、グリーンイノベーション基金の大幅拡充を始め、欧米並の大胆な政策支援をお願いしたい。

    (3)税制

     昨年末の令和4年度税制改正大綱には、炭素税など石油の税負担が増加する内容は盛り込まれなかった。炭素税の導入については、エネルギーコストの上昇による経済成長の阻害が懸念されること、エネルギー政策の基本方針である「S+3E」が損なわれる可能性があること、既存のエネルギー関係諸税の効果について十分な検証がなされていないことから反対であり、こうした動きには、粘り強く、全石連、関係業界の皆様と力を合わせて断固反対していく。現在、炭素税を含めたカーボンプライシングについては、政府での検討が進められているが、グリーン成長戦略にもある通り、引き続き成長に資するカーボンプライシングの観点からの議論をお願いしたい。
     また、自動車用の電気や天然ガスには、ガソリン税・軽油引取税のような高額な税が課されておらず、公平性を欠いたものとなっている。徴税方法も含め、公平な課税の実現に向け、引き続き働きかけていく。
     なお、今年は「製油所の非製品ガスに係る石油石炭税の還付制度」および「バイオ燃料に係るガソリン税免税制度」の延長を要望する予定である。前者は競争力強化、強靭化対策の推進に、後者は消費者の負担軽減の観点から、いずれも不可欠な税制であるので、皆様におかれては、その延長実現に向けてのご支援をお願いしたい。

  3. 3. 「サステイナブルな石油」

     私の会長就任後、石油連盟のキャッチフレーズを「サステイナブルな石油」としている。これは、「石油産業のカーボンニュートラルに向けたビジョン」にも掲げた気候変動問題に対する積極的な取組や、持続可能な社会への貢献、さらには将来世代の繁栄にも積極的な役割を果たす石油業界を目指していくことをコンセプトとするものである。
     年頭にあたり、将来にわたって、石油製品の安定供給と気候変動問題対応への責任をいずれも果たしていける石油業界であること、「サステイナブルな石油」の実現を目指していくこと、その決意を新たにしているところである。


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