最優秀作品賞

責任を持とう!石油と地球の未来に

東京都 国立学園小学校 5年
綾部 崇伸

 昔の東京の川や海はどんな姿だったのだろう。伝統的な東京染小紋という染め物作りの作業を妙正寺川で再現する企画に参加した時、目の前の川に浮かぶペットボトルやレジ袋のプラスチックごみを見て、当時の光景を想像できず少し戸惑った。昭和の中頃には、実際にこの川でたくさんの染め物が洗われていたと祖母からも聞いたが、実感はわかなかった。

 七十年ほどの間に、プラスチック製品の台頭で世の中は非常に便利になった一方、プラスチック製品を使い捨て、川や海を汚すような生活様式に変化してしまったのだ。

 ところが、最近思いがけず気付いたことがあった。家族でレストランに行きジュースを頼むと、普段置いてあったストローが撤去されていたのだ。お店には「プラスチックごみを減らす世界的な取り組みにご協力を」と書いてあった。ストローを使うことが当たり前だと思っていた自分を反省した。

 調べてみると、タイの海岸に打ち上げられた鯨の胃から八十枚以上のプラスチックの袋が出てきたというニュースに衝撃を受けた。使い捨てられて海に迷い込み流れたプラスチックごみが「マイクロプラスチック」という五ミリメートルより小さいかけらになり世界の海に広がっているという報告もあった。海の生物、そして食物連鎖を経て最終的に人間にもこれらが取り込まれている可能性もある。

 土に還ることのないプラスチックだが、社会の発展には不可欠で、人類は多くの恩恵を受けてきた。プラスチックの存在を「悪」と決めつけるのは間違っていると僕は思う。なぜなら、軽くて丈夫なプラスチック製品をはじめ繊維、燃料など身の回りのあらゆるものは石油からできた科学技術の賜物で、石油は「化石燃料」という名の通り、太古の生き物達の死がいが何億年もの時間をかけて誕生した恵みだからだ。しかも、石油自体が限りある貴重な資源で、可採年数も有限であることを忘れてはいけない。油田や再生可能エネルギーの開発で石油の可採年数は延びてはいるが、未来の世代に十分に残せるかどうかは分からない。海に漂うプラスチックごみは大いに問題だが、適切な処理を怠り、生命に由来した恵みの石油を無駄使いしている根源は人類の無責任さにあると思う。

 ストローの使用を控える活動が世界の取り組みになると大きな力となるように、地球上の一人ひとりが生活を見直し、リサイクルやリユースで物の循環を作り、エコバッグやマイボトルの利用などの身近な行動を持続的に積み重ねることで、活動が世界の輪となり、世代を超えて繋がっていくと思う。プラスチックが海のごみになるか、再び資源になるかは人類次第なのだ。少し生活が不便になったと感じても、エネルギー資源に感謝して節約し、生命を育む地球の環境を守ることに貢献できるよう責任の持てる人に僕はなりたい。

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