石油連盟からのお知らせ プレスリリース・トピックス

プレスリリース

2011年01月05日

各位

石油連盟

年頭所感(会長コメント)

  1. 石油業界を巡る情勢 -昨年の回顧-

    (1)

    安定供給確保の重要性
    アジア諸国を中心とする石油需要増加を背景に、資源獲得を巡る国際競争の激化を目の当たりにし、国内石油需要が減少しているわが国も、改めてエネルギーの安定供給確保が重要であることを再認識。

    (2)

    地球温暖化対策の動向
    COP16や地球温暖化対策基本法案の国会提出など、地球温暖化対策を巡る動きが例年になく活発。地球温暖化対策税、排出量取引、固定価格買取制度の3点セットの検討が政府主導で進み、税については石油石炭税の実質増税の方向性が決定。また、石油業界個別の問題として、エネルギー供給構造高度化法に基づき、製油所の重質油分解能力の向上、2017年に向けたバイオ燃料の導入拡大の方針が提示。

    (3)

    成長戦略の策定
    政府の成長戦略において、グリーン・イノベーションを通じ、エネルギー・環境分野に経済成長・雇用確保の牽引役としての役割が期待。

  2. 石油業界の抱負と課題 -「国益」の観点から-

    (1)

    石油の安定供給確保に向けた取組みの強化
    昨年6月の閣議決定「エネルギー基本計画」で位置づけられた通り、石油は2030年でもエネルギーの最大ソース。今後、太陽光・風力などの再生可能エネルギーや原子力の導入拡大の中で、それらの不安定性を補うため、最後の砦、ラストリゾートとしての石油の重要性がますます高まる。そのため、国内需要が漸減する中、輸入・精製・輸送・販売という大きなサプライチェーンを健全に維持することが重要、平時から一定の余力を確保する等、政策として組み入れることが必要。
    エネルギーの安全保障の備えは、国全体の課題。既に、SS過疎地の問題が顕在化するなど、サプライチェーンの一部崩壊が見えてきた状況。
    また、現状、100万B/D以上の精製能力が過剰であるが、今後、かなりの能力削減が進むことが見込まれる。しかし、製油所の閉鎖は、地域経済・雇用への影響、コンビナート内の工場との関係もあり非常に難しい話。エネルギー安全保障の観点から、どの製油所をどう残すか、石油化学産業の国際競争力の観点も含め考える必要があるが、民間だけでは不可能。従来は、市場の拡大を前提に自由化政策を進めてきたが、市場縮小の中、市場に任せるだけでは国の安全保障を危うくするのではないかと危惧。国益の観点から、環境変化を踏まえ、エネルギーの中核を担う石油産業のあり方について政府で真剣な検討を開始されることを期待。

    (2)

    地球温暖化対策
    昨年末のCOP16で、京都議定書単純延長という最悪の事態は避けられ、コペンハーゲン合意に基づいて、次期枠組みが検討される方向となったことは、政府の交渉努力と結果を評価。「地球温暖化対策基本法案」は継続審議扱いとなったが、これを機に、取組みを検討し直すべき。わが国産業は世界最高のエネルギー効率を達成。経済と環境の両立を図るため、産業の自主的取組みを対策の中心に位置付けるべき。石油連盟では、2020年に向けて「低炭素社会実行計画」を策定し、既に世界最高のエネルギー効率を達成した製油所に、BAT(Best Available Technology)の省エネ技術の導入を更に進める方針。加えて、バイオ燃料も原油換算50万KLの導入に取り組み、消費段階でのCO2削減に貢献。
    わが国産業のエネルギー効率の高さを考えれば、90年比25%削減前提での政策は、国際競争力、雇用を失い、エネルギー安全保障も失う、という事態を危惧。国益を考えた政策の検討を期待。
    年末の税制改正大綱で、地球温暖化対策税創設が決定されたが、石油には、既に5兆円もの石油諸税が課せられ、徴税コスト等も大きい。需要減少の中、これ以上の担税力はない。政府には、せめて業界の厳しい実情に配慮し、税の確実な転嫁が行われるような環境整備を要望。
    排出量取引については、検討延期の方針が示されたが、省エネが進んだわが国では機能しないばかりか、マネーゲーム化の恐れ、国富流出の可能性があり、石油安定供給の支障となるので、今後とも導入には絶対反対。

  3. むすび

    アジア諸国の大規模な製油所の建設などの環境変化を踏まえれば、何よりも製油所の国際競争力の強化が必要。石油は戦略物資であり、輸入すれば良いというものではない。全国津々浦々の安定供給体制を維持しつつ、再生可能エネルギーのバッファー役を果たし、コンビナートの中核役を果たし、さらには国際競争を踏まえた強靭な石油産業を構築することが必要。国益を左右する重要な基幹産業であることを再認識し、石油を中核とする総合エネルギー産業を目指すべく、自信と誇りを持って、安定供給の責務を果たす所存。


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