石油連盟からのお知らせ プレスリリース・トピックス

プレスリリース

2010年11月24日

各位

石油連盟

COP16等に向けた産業界の提言
(共同提言)


1.


『京都議定書の延長には反対です』

  • 昨年のCOP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議)では、いわゆる「コペンハーゲン合意」が策定されました。一部の国が反対したため採択には至りませんでしたが、「コペンハーゲン合意」は、各国がボトムアップで目標を策定すること、その達成に向けた行動を重視すること等、公平かつ実効性ある新たな枠組みの土台となりうることは、既に140カ国が賛同もしくは賛同する意思を表明していることからも明らかです。しかし、それ以降の国際交渉では、先進国と発展途上国との対立がむしろ鮮明になり、新たな枠組み構築の議論は膠着状態に陥っています。こうした状況にかんがみ、一部の国(特に発展途上国・EUなど)において、2013年以降に、何らかの形での「京都議定書の延長」を望む動きがみられます。また国内でも、他国から「日本が京都議定書を殺した」という非難を受け、国際的に孤立することを恐れる意見が一部で見受けられます。

    しかしながら、京都議定書は、削減義務を負う対象国が、地球全体のCO2排出量のわずか3割弱しかカバーしておらず、主要排出国である米国・中国・インドが対象となっていない極めて不公平かつ実効性の乏しい枠組みです。その中で、特に経済成長著しい中国やインド等は、今後、一層の排出量増加が見込まれており、京都議定書の温暖化対策としての実効性はますます低下することとなります。

    万が一、京都議定書の枠組みが継続されれば、

  • (1)我が国産業の国際的な「イコールフッティング」が図れない状態が長期化し、経済・雇用にも甚大な影響を及ぼします。

  • (2)この結果、我が国よりもエネルギー効率の劣る他国の生産増につながり、地球規模でのCO2排出増を招いてしまいます。

  • (3)何よりも、日本政府が目指している「全ての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組み」の早期構築に向けた国際的なモメンタムが喪失します。

地球温暖化の防止に向けて、今、必要なのは、一刻も早く「全ての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組み」を構築することに尽きるのであって、実効性に乏しく国際的公平性もない状態をさらに継続することを意味する「京都議定書の延長」は、「次善」の策などではなく、極めて「不適切」であるといわざるを得ません。

菅首相は、国会答弁において、「京都議定書をそのまま暫定的に延長することは、わが国の選択としてはあり得ない。それは取るべき道ではない。」と述べました。この発言に強く期待するとともに、日本政府におかれましては、厳しい国際交渉の中で、日本が保有する優れた環境技術・製品の開発、普及を通じて、引き続き地球規模での温暖化防止に貢献することを主張して頂き、「全ての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組み」の構築に向けて、真のリーダーシップを発揮して頂き、万が一にも、「京都議定書」延長を受け入れることがないよう、強く要望致します。


2.


『地球温暖化対策基本法案等について』

  • 今次の臨時国会に提出された「地球温暖化対策基本法案」については、私たち産業界は、従来から、国民の理解と納得を得られるよう十分に時間をかけ必要な手続きを踏まえて頂くよう強く要請してきたところです。

  • (1)温室効果ガスの中期削減目標について-

    90年比25%削減という国際的に突出して厳しい我が国の中期目標については、「1実現可能性」、「2国民負担レベルの妥当性」及び「3国際的公平性」の視点からの検証がなされるべきと考えます。 特に、昨今の急激な円高等により日本経済の先行きが不透明な中、25%削減が我が国の経済や国民生活・雇用にどのような影響を与えるのか、早急に政府としての統一見解を示し、国民に十分な判断材料を示すべきと考えます。

  • (2)基本的施策(排出量取引制度、地球温暖化対策税、再生可能エネルギーの全量買取制度)について-

    そもそも、省エネが進み、排出量削減余地が少ない我が国において、こうした政策は産業競争力に多大な影響を与える等様々な問題があり、安易な導入には反対です。現下の厳しい経済情勢の下、企業活動を抑制しかねないこれらの政策を果たして他に優先して導入すべきなのか、十分な吟味が必要です。
    一つ一つの施策をバラバラに論じるのではなく、3つの施策全体としての効果と費用・負担をまず分かりやすく明示し、透明で開かれた国民的な議論に付すことが先決であると考えます。


3.


『地球温暖化対策における産業界の決意』

  • 地球温暖化対策における我が国産業界の役割は、技術力をてこに地球規模での温暖化防止に貢献することです。我々は、これまでのたゆみ無い省エネ努力に留まらず、今後とも最先端の技術を最大限導入することにより、世界最高水準のエネルギー効率の更なる向上を図るとともに、優れた製品の供給を通じて広く社会のCO2削減にも積極的に貢献する決意です。また、知的財産の保護など前提条件を日本政府に整備して頂いたうえで、省エネ技術を世界へ移転・普及すること等により、地球規模での温暖化対策にも積極的に取り組む所存です。こうした解決方法は、9月14日に公表された日本経団連の提言『地球規模の低炭素社会の実現に向けて』とも軌を一にするものであり、産業界の総意と考えます。

    日本政府におかれましては、我が国産業界の技術力を活用し、地球規模での温暖化対策をリードするとともに、我が国が技術立国として更に発展するような「環境と経済を両立させる」政策を実現されるよう切に願う次第です。


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