石油連盟からのお知らせ プレスリリース・トピックス

プレスリリース

2010年01月05日

各位

石油連盟

年頭所感(会長コメント)

  1. 経済情勢の認識

    わが国の経済は、最悪期からは抜け出したものの、深刻なデフレに直面、雇用情勢も厳しい状況。二次補正予算の早期成立、将来展望の見える新年度予算の策定により、"二番底"の回避を期待。
    世界は新興国を中心とした急激な人口の増加、生活レベルの向上により、限りある資源のもとで"環境と経済をどう両立するか"が問われており、従来の大量生産・大量消費のビジネスモデルは、見直す必要があるのではないか。

  2. 石油業界の喫緊の課題

    (1)

    企業として再生産可能なレベルの収益の確保
    石油需要の減退が顕著な国内は、コストも取れず、異常な状況。商売の基本に真摯に立ち返り、事業継続できる適正なマージンの確保が必要。もちろん、コスト削減・原価低減努力は、力の限り尽す。

    (2)

    過剰な精製設備の削減
    製油所の閉鎖には、雇用の問題、決算上の問題、地域との問題等、解決すべき難題が沢山あるが、今のままで生き残れる時間は少ししかない筈。時間が経てば、益々厳しくなる。石油の重要性・公益性という使命を担うためにも、過剰設備の早急な削減が必要。

  3. 石油の重要性・公益性

    エネルギーの安定供給は国の安全保障の一つ。また、エネルギー政策と環境政策は不可分な問題。
    日本の石油需要は今後減少するが、2030年になっても石油は引き続き一次エネルギーの最大ソース。温暖化対策のためには、原子力・太陽光・風力等の非化石エネルギー発電を拡大しなければならないが、こうした発電は不安定で、バックアップ用の石油火力発電の燃料として、石油にしか担えないバッファーの役割はますます増大。石油は安全で利便性が良く、災害時の緊急用としても使われ、エネルギーのラストリゾート。

  4. 石油のサプライチェーン維持

    石油の役割は今後も大きく、輸入・精製・輸送・販売という大きなサプライチェーンを健全にかつ余裕を持って維持していく必要。
    しかし、石油は完全に自由化され、電力・ガスのようなコスト回収の仕組みなし。日本の石油会社は精製・販売の下流部門が中心で、需要が減少する中で過剰な精製設備と過剰なSSによる過当競争に苦しみ、また世界的に原油高・製品安が続きマージン改善の兆しも見えず、危機的な経営状況。こうした中で大きなサプライチェーンを余裕を持って健全に維持し続けることは民間の力だけでは限界。業界をあげて最大限の努力を続けるが、環境問題を踏まえて、将来のエネルギー供給のあり方、石油が担う役割やその実現策など、石油の重要性・公益性を今一度明確にして頂き、政府にも政策的なバックアップをお願いせざるを得ない。

  5. 地球温暖化対策のあり方

    (1)

    COP15と25%削減目標
    COP15では、米国・中国等の主要排出国が削減義務を負う枠組みに入らず、明確な政治的合意もできなかったが、日本だけが不当な義務を負うことはとりあえず回避。日本が2020年までに25%のCO2削減義務を負うリスクを考えると目標を取り下げるチャンス。
    25%削減目標については、実行具体策、経済的負担、実現の可能性、リスク等を、早急に明らかにすることが必要。
    日本は既に世界で最も高いエネルギー効率を実現。2020年までに10年しかなく、既存技術だけでの目標達成は経済的に負担が大きすぎ、また、今後の技術開発で達成するのは、時間的に無理。

    (2)

    わが国としての温暖化対策のあり方
    日本としては、2020年迄に画期的なCO2削減技術の開発に国を挙げて取り組むことを約束し、その間は産業セクター毎にベストプラクティスの方法で、最も進んだ技術を効果の大きい発展途上国に、先進国の拠出金を活用して普及促進を図る方が現実的で効果も大。
    排出量取引は、もともとCO2削減の本来の手段ではない。排出権を金融商品化することで利益を目論む人もおり、売買価格が乱高下すれば、実際にCO2削減投資をするかどうかの判断ができなくなり、結果的にはCO2削減はできず、温暖化対策に反することになる。

    (3)

    石油業界の取り組み
    石油業界としては、京都議定書の第一約束期間に向け、自主目標として掲げた製油所の消費原単位で90年対比13%減は達成できる見込み。政府と約束したバイオエタノール原油換算21万klの導入も、新年度からETBEとしてガソリンに混合することで達成。
    今後も、製油所での省エネ推進、物流の効率化、高効率な燃焼機器の開発・普及など、積極的に取り組んで行く所存。

  6. むすび

    新興国が石油確保のために国益をかけて資源外交を活発に展開しているとおり、石油は国にとって本当に大切なエネルギー。
    石油連盟は、安定供給における責任を果たし、温暖化対策にも積極的に取組むべく、厳しい経営環境の中で最大限の努力をして参る所存。本年も皆様のご指導・ご支援をよろしくお願い申し上げる。


ページトップへ