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石油業界のカーボンニュートラルに向けたビジョン(目指す姿)【2022年12月版】

石油業界のカーボンニュートラルに向けたビジョン(目指す姿)【2022年12月版】[PDF]

石油連盟では、2020年10月に政府が発表したカーボンニュートラル宣言をふまえ、2019年に策定した長期低炭素ビジョンを刷新し、2021年3月に新たなビジョンとして「石油業界のカーボンニュートラルに向けたビジョン(目指す姿)」の初版を策定致しました。さらに2022年12月には革新的技術開発の取り組みの具体化などをふまえ、ビジョンの改定を行いました。

このビジョンの最大のポイントは、事業活動に伴うCO2(いわゆるScope1と2)の排出量の実質ゼロ、即ち「カーボンニュートラル」(CN)を目指すとした点、加えて2022年12月改定版では、供給する製品に伴うCO2排出(Scope3)の実質ゼロ(CN)にもチャレンジするとした点です。

このために、省エネや再エネの活用・開発促進といった既存対策の強化に加え、CO2フリー水素の活用等の技術開発による精製プロセスの変革、CCS・CCUなどのカーボンリサイクルなど、2030年までの「革新的技術開発」と、その後2050年に向けた「社会実装」に業界を挙げてチャレンジします。

また、合成燃料e-fuel(カーボンリサイクル)などの革新的技術開発・実用化など、供給する製品の低炭素化等により、Scope3でのCO2排出削減にもチャレンジします。

これらに加えてCO2排出削減・吸収源対策として、水素ステーション、EVステーションのインフラ整備や、再生可能エネルギー事業の拡大、さらには廃プラリサイクルの技術開発や石化製品の原料を次世代バイオマスに転換することなどにもチャレンジします。

上記の「ビジョン」を実現するため、以下に掲げている様々な「革新的技術開発」に着手しています。これまで石油および関連事業で培ったアセットや、人材、産業界のネットワークを活用し、早期の実用化と社会実装にチャレンジします。

「Scope3」のCO2排出実質ゼロへの挑戦は、極めて野心的でハードルの高いものですが、石油各社は、脱炭素技術の研究開発と社会実装に積極的に取り組むことにより、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献するとともに、引き続き消費者が求めるエネルギーの安定供給に努めて参ります。

石油業界では、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献する観点から、供給する製品に伴うCO2排出量、いわゆるScope3についても、排出削減に繋がる取り組みに着手しています。各社は、SAF(持続可能な航空燃料)、CO2フリー水素・アンモニア、合成燃料、廃プラリサイクルなどについて、政府のグリーンイノベーション基金事業への参画などにより、技術開発や実証事業などの取り組みを具体化させています。

現在の製油所は、主に化石燃料である原油を原料として精製し、ガソリンなどの燃料や化学製品の原料といった石油製品を生産しています。2050年に向けた将来の製油所は、既存設備の活用に加えて必要な精製プロセスの改造なども図りながら、「革新的技術開発」の成果によりCO2フリー水素、回収CO2、バイオマス、廃プラなども原料として活用し、「カーボンニュートラルな燃料・化学製品」などを製造する拠点に転換していくことを目指します。

現在の燃料や化学原料の太宗を占める石油製品は、革新的技術の実用化・社会実装により、2050年に向けて、SAF、CO2フリー水素・アンモニア、合成燃料(e-fuel)、バイオマス由来燃料やCO2の原料利用などの「カーボンニュートラルな製品」にシフトしていきます。

石油業界は、こうしたチャレンジにより、社会全体のカーボンニュートラル実現に貢献し、「持続可能な社会」の構築に積極的な役割を果たすべく、「サステイナブルなエネルギーを社会に」供給していくことを目指します。

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