石油とエコ

石油の有効利用

石油製品の有効利用

石油業界では、発電用や産業用の基幹エネルギーとして利用されてきたC重油需要の減少に対処するため、重油からガソリンなどを生産する分解設備などの装置を増設してきました。しかしながら、重油需要は今後も漸次減少していくことが見込まれるため、この抜本的対策が求められており、石油業界としてもC重油を含めた石油残渣の有効活用を目的とした技術開発に取り組んでいるところです。

中でも、IGCCは石油残渣をクリーンかつ効率的に利用することが可能な技術として最も有望な技術であり、わが国のみならず世界的にも注目されています。IGCCは、付加価値の低い石油残渣(アスファルト)のガス化技術を活用し、生成される分解ガスを発電用燃料として利用し、その際発生する蒸気の複合タービンから効率よく発電するシステムをベースにしています。また、ガス化の過程で燃料に含まれる硫黄分など不純物を容易に除去することが可能であり、硫黄酸化物や窒素酸化物などの大気汚染物質を極限まで低減できます。一方、ガスタービンと蒸気タービンの複合発電によって高い熱効率(46%)が可能となり、CO2排出削減効果(石油火力比▲15%)を達成することができます。わが国では、2003年6月より、石油残渣(アスファルト)を燃料としたガス化複合発電(IGCC)として、電力卸供給事業の営業運転を開始しています。

また、石油業界はサウジアラビアとの共同研究によりHS-FCC(高過酷度流動接触分解)の開発を進め、03年にはサウジアラビアで装置が建設され、実証化運転が行われました。これは重質油を分解し、ガソリン得率を高めるとともに、石油化学原料として付加価値の高いプロピレンを効率よく生産する技術です。プロピレンは、汎用プラスチックであるポリプロピレンの原料として、アジアを中心に需要が拡大し続けており、石油精製からの供給増加が期待されている高付加価値製品です。現在、HS-FCCの商業化に向けた検討が行われており、その進展が期待されています。

IGCCの特性

IGCCの特性


石油残渣ガス化複合発電(IGCC:Integrated Gasification Combined Cycle)

石油残渣ガス化複合発電(IGCC:Integrated Gasification Combined Cycle)


HS-FCCのプロセススキーム

HS-FCCのプロセススキーム


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